糖代謝のしくみ(1)
私たちが活動するのに必要なエネルギー。そのエネルギーを作るのに必要なのが毎日の食事でとる糖質、脂質、たんぱく質です。
このうち最もエネルギーとして利用しやすいのが、糖質です。
糖代謝のしくみ(2)
糖質を摂取すると、唾液、膵液、腸液に含まれる酵素でブドウ糖まで消化された後、小腸から吸収、肝臓に送られます。
このブドウ糖は、血液に乗って全身をめぐります。この時血糖値が上昇しますので、これを下げるために、すい臓からインスリンが分泌されます。
このインスリンの作用によって、ブドウ糖は各細胞に取り込まれ、余ったブドウ糖は、グリコーゲンとして肝臓に蓄えられたり、脂肪として脂肪細胞に取り込まれます。
高血糖になる理由(1)
この、インスリンが作用し、ブドウ糖が過剰に増加するのを抑える働きを「耐糖能」といいます。
このメカニズムが何らかの原因により正常に働かなくなることで、ブドウ糖が細胞に取り込まれず、血液中に多く残された状態が引き起こされます。これが高血糖状態です。
高血糖になる理由(2)
インスリンが正常に作用しない原因には次の2つがあります。
1つは、生活習慣や遺伝的要素によって膵臓機能が低下し、血糖値を正常に保つためのインスリン分泌が減少することによって起こるもの、2つめは、細胞側のインスリンレセプターの機能低下があります。
高血糖になる理由(3)
インスリンレセプターとは、膵臓から分泌されたインスリンを細胞側に受け入れるための受容体です。
これが生活習慣病や運動不足などで正常に働かなくなると、インスリンの分泌量に問題なくても、ブドウ糖を細胞に運搬する機能に問題が生じるので、結果的にブドウ糖が血液中にあふれ、高血糖となります。